2010.08.21 Saturday 23:52
夏の甲子園、優勝校が決まったみたいですね。
えっと私は、野球にはたいして関心がないのですが(『おお振り』は除く)。

旧聞に属する話になりますが、7月20日の朝日新聞オピニオン欄に、元巨人投手・桑田真澄氏の「野球を好きになる七つの道」という談話が掲載されていた。
桑田氏は現役引退後、早稲田大学大学院で「これからの時代にふさわしい野球道」についての論文を書き、最優秀論文賞受賞を受賞したという。

この朝日の記事は、その論文を下敷きにポイントを七つにまとめたものらしい。
この記事、野球好きでなくても、考えさせられる話でしたよ。

高橋源一郎さんがツイッターでつぶやいていたのだけど、これ「野球」を「小説」に変えても結構通用するそうだ。
ということは、野球だけではなく、教育全般とか仕事とか、さらには人生にまで視野を広げても通用する部分があるのではなかろうか。だって「野球」というのだから。「道」だからね。

アサヒ・コムにこの記事が載ってたので、リンク貼っておきます。野球好きでなくても、アンチ巨人の方でも、一読の価値ありです。
一、練習時間を減らそう
二、ダッシュは全力10本
三、どんどんミスしよう
四、勝利ばかり追わない
五、勉強や遊びを大切に
六、米国を手本にしない
七、その大声、無駄では?

私は二番目と三番目が、とりわけ印象に残った。
というわけで、三番目の「どんどんミスしよう」をここに引用してみる。
 野球はミスをするスポーツです。イチロー選手だって打席に立った半分以上はアウトになる。どうしても起きてしまう自分のミスをチームメートに救ってもらったり、逆にチームメートのミスを自分がカバーしたりする。こうした助け合いの気持ちがチームプレーだし、野球というスポーツの魅力です。ミスをなくそうとムダな努力をするよりも、ミスから学ぶことのできる選手の方が、成長が早い。

 それなのに、ミスをした選手を怒鳴りつけたり、罰練習をさせたりするのは野球というスポーツがわかっていない証拠です。ミスをすると、どうして失敗したのか考えるチャンスになります。次にミスを減らすための練習に熱が入ります。

 ここでは絶対に三振したくないと思うと、体はこわばり、ボールを迎えに行ってフォームが崩れてしまいます。そういう時は「タイミングだけ合わせて、空振りしてやろう」と考えましょう。投手が振りかぶってきました、さあ、ゆっくり体重移動、思い切って空振り! あれ、ヒットになってしまいました。

       桑田真澄「野球を好きになる七つの道」より

私も以前、このブログで「3割でイチロー」という格言をつくったことがあったのですが。
人間誰でも、失敗から学ぶことって多いと思うんだ。
特に自分の失敗経験は、どんな書物を読むよりも大きな意義があったりする。成功から学ぶことよりも、失敗から学べるものの方が大きいと私は思っている。

他人の成功体験を聞いてマネしても、同じように成功する人は稀だ。
「成功」というのは、独自の道を切り開いて、その人固有のやり方で歩んでいって、初めて到達できるものだから。自分の数少ない成功体験から考えてもね、そう感じるんだ。

新しいことをやろうと思ったら、失敗するのが普通なんだよ。
で、失敗したとき、自分や周囲がどういう態度を取るか?ってこと。これすごく大事なことだ。最近つくづくそう思う。
「失敗してもOK!」って言ってもらえる環境にいたら、安心してのびのびと行動できる、ということを実感する体験があったので。

ただ、自分も含めてなんだけど、今の日本って、すごく失敗を怖がる・失敗を許さない風潮があるんじゃないか?
しかも一度失敗したら、二度とチャンスは与えられない、敗者復活のないシステムになってるんじゃないか?
そんな気がしてならない。

こんな記事もある。
■「失敗の評価」に見る文明の差 (日経ビジネスオンライン)

この記事によると、米国シリコンバレーでは、失敗した経験を、次の企業の採用担当者やベンチャーキャピタルなどが、1つのキャリアとして評価するという。興味深い話だ。
日本では、あまり聞かないよね。「失敗をキャリアとして評価する」なんて。
できれば日本でも、失敗を必要以上に責めたり、マイナスとして減点したりするより、「いい失敗を評価」して、「失敗から学ぶ」方向に進んだ方が、どれだけ風通しが良くなるだろうと私は思う。

そうは言っても、日本の状況はすぐには変わらないよね。
だからまず、自分から変わりたい。

「失敗は当たり前。」「失敗は財産。」「失敗してもOK!」

失敗しても、うまくいかなくても、誰も認めてくれなくても、自分だけは、自分を笑って許せるように。
自分はこれまで生きてきて、何かが上達したか?というと、とりたてて何も誇れるものはないんだけど、「自分を笑って許せる」のだけは、ちょっとだけ上手になったかなあ、と思う。
私は「失敗しても大丈夫」、と言える人間になりたいし、そういう環境をつくっていけたらいいな、と思います。

そもそも人間の存在そのものが、神様のつくった偉大な失敗作品だ、という気もするんだけどね。
まあともかく、失敗ばっかりのダメダメ人間として、ここに叫ばせてもらいます。

失敗に光あれ!

| ●月ノヒカリ● | その他雑文 | comments(8) | trackbacks(3) |
2020.07.30 Thursday 23:52
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Comment
2010/08/22 12:36 AM posted by: 村野瀬玲奈
「3割でイチロー」って、いい格言でしたよね。失敗だってあって当然、どうして日本人はそう考えられないのかなと思います。

誰も成功ばかりできるわけはないのだから、失敗をオープンにして失敗から学ぶことが個人にも社会にも大切だと本当に思います。

たしかホンダの創始者、本田宗一郎氏が「失敗にこそ報奨金を与えるべきだ。その失敗はその方法ではうまくいかないことを証明したのだから」みたいなこととを言っていたということをどこかで聞いたことがあります。

あ、それから、先日は、広島の陸軍病院で働いていて、被爆した医師の話の紹介をありがとうございました。m(__)m
2010/08/22 3:41 PM posted by: みそカツ
 月ノヒカリさん

 こんちには。桑田氏の朝日の記事、読ませて頂きました。

 高校野球にしろ、大相撲や宗教団体にしろ、一般人には窺い知れない部分、ある種の「閉鎖された世界」が増えるにつれ、妙な風習が横行している場合もあるようです。

 本の題名は忘れてしまいましたが、ある高校球児たちは、部室で監督から日本刀を取り出され「これを素足で渡った者から試合に出してやる」と言われたそうです。

 そこまででなくとも、女性との交際はもちろん禁止、全員が軍隊のように丸坊主で怒鳴られ殴られ、長時間の練習中に水を飲むことも許されない。
 練習中にグランドの土が口に入っても、神聖なグランドにツバを吐くなどもってのほか。
 土は全て、飲み込まなければならない。

 その結果、努力が実り甲子園に出場できても、投手などはチームの勝利の為に毎試合、九回まで投げることで、有望な選手生命が絶たれてしまう場合すらある。

 もちろん、全てのチームがそうだとは言いませんが、これが「伸び伸び野球」の一面でもあるようです。

 桑田氏の記事を読むと、おそらくはご自身にも、これらと同じような経験があったように思えます。
 氏の「これからの時代にふさわしい野球道」という論文は、飛田氏の「野球道」を擁護しながらも、現代におけるそれに一石を投じる、素晴らしい内容のものであろうと推察しました。

 〉「失敗してもOK!」って言ってもらえる環境にいたら、安心してのびのびと行動できる、、、

 おっしゃる通りですね。
 せっかくの「ゆとり教育」がうまくいってないのは、その先に「ゆとり社会」が待っていないことを、皆が知っているからでしょう。
 「伸び伸び野球」にしても、レギュラーの中に地元の選手が数人しかいなかったりと、なかなか考えさせられる問題です。

 さあ、「失敗」について書こうと思ったら、文字数がなくなりました。
 せめて、歌います。

 失敗も成功も未練もなくて〜♪

 美しい人よ、ではまた。

  
2010/08/23 3:19 PM posted by: 脚袢
はじめまして
以前から読ませて頂いている、おそらく同世代の男子です

桑田氏の朝日新聞の話は読みました
自分もゆとり教育以前の管理教育を受けてきたので、私が当時抱いていたような疑念・不条理な感覚を鮮やかに否定して、その上で展開される合理的で建設的な意見に大いに共感を覚えました

私も他所でブログをやってますので、よかったらお越しください(^-^)/
桑田氏に関する記事も幾つかあります
2010/08/26 12:07 AM posted by: 月ノヒカリ
☆玲奈さん

こんばんは〜。

私自身も失敗をプラスと受け止められない日本人の典型ですから、自分に言い聞かせる為に、こういう記事を書いてる面もあるのですが。

>失敗をオープンにして失敗から学ぶことが個人にも社会にも大切

本当にそうですね。
人間はどんなに完璧を目指しても、ミスをする生き物ですから。
私が通院していた某大学病院では、医療事故をHPで公表して、再発防止をはかるという取り組みを行なっていますが、こういうのはぜひ広まってほしいです。

企業でも病院でも、どんな組織であれ、ミスを隠そうとするのは不信につながるけど、ミスをオープンにして再発防止に努めるという姿勢は、もっと評価していきたいものです。



☆みそカツさん

こんばんは〜。

みそカツさんは野球にお詳しいんですね。
私はスポーツ界にはとんと疎いのですが、桑田氏自身も、おそらく不条理な体験をされてきてるんでしょうね。
「ぼくの周りのまじめで才能のある選手ほど、指導者から指示されるままに頑張りすぎて、ケガをして、表舞台から消えていった」と書かれてますから。

それでも桑田氏のような考えの指導者が増えれば、今後は少しずつでも改善されていくと信じたいです。

>その先に「ゆとり社会」が待っていない

本当にその通りですね。
確かに「便利」にはなってきているんですが、どこも「時間」や「成果」に追われてギスギスしている感じがします。
人間にも社会にも、「余裕」や「遊び」の部分はあった方がいいはずなんですけどね。
せめて自分の心には、ゆとりを持っていたいものです。

それにしても、ここでさらっとアルルカン洋菓子店の歌が出てくるとは…っ!!
さすがみそカツさん、明川哲也さん専門グログを書いてらっしゃる方は違いますね(笑)
もっともっと歌ってください♪



☆脚袢さん

はじめまして。

桑田氏の話、教育論として読んでも通用する内容でしたね。
管理教育というのは、おそらく「従順な人間」を生み出すので、安定した社会ならそれでもよかったのかもしれませんが……今は違いますよね。

ブログも読ませていただきました。
「明確な目標」を持つというのは大切なことだと思うけど、今の先行き不透明な時代では、なかなかに難しいことでもあるなあと感じます。


皆様コメントありがとうございました〜。それでは、また!
2010/08/27 9:13 AM posted by: なめこそば
イチローも「クリーンヒットよりも凡打から得ることのほうが多い」と言っていましたね。

失敗を恐れて何も行動しないのが一番マズいですね; ;
月ノヒカリさんの記事に、なんだか励まされたような気がします。
頑張ります。
2010/08/31 12:02 AM posted by: 月ノヒカリ
なめこそばさん、お久しぶりです。

>「クリーンヒットよりも凡打から得ることのほうが多い」

これは初めて知りました。やっぱりイチロー選手も失敗から学んでいる、ということでしょうか。

>失敗を恐れて何も行動しないのが一番マズい

たぶんそうなんだと思います。
やみくもに行動すればいいというものではないでしょうが、できる範囲で一歩ずつでも進んでいけたらいいですよね。
お互い頑張りましょう〜。

コメントありがとうございました。
2010/10/26 5:05 PM posted by: アリガトウ
なめこそばさんへ

気になったので。
>失敗を恐れて何もしないのはマズイですよね。
元気がないときに、否定的な言葉で自分を追い込むほうがマズイですよ。
自分を大切に。(^^)

月ノヒカリさんの名前ですが、夜を照らす月の光っていいですね。
太陽の光は、人の外面でぬくもりを知る。
月の光は、人の内面でぬくもりを知る。
直接ぬくもりを教えてくれるんじゃなくて、月の光のように、自分の中でぬくもりが出てくる輝いてるブログですね。
(意味不明かな。爆笑しないでください。)
2010/10/26 11:47 PM posted by: 月ノヒカリ
アリガトウさん

>自分の中でぬくもりが出てくる輝いてるブログですね。

わお!いい言葉ですね〜。(このブログはそんなたいそうなものではないですがw)

本当の「光」は、どこか遠い空の向うにあるのではなく、私たちひとりひとりのハートに宿っているもの……と私は思ってます。

爆笑ではなく、気持ちがあったかくなりましたよ。

コメントありがとうございました。
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