2016.01.08 Friday 00:02
はい、前回のエントリで予告した「生き延びるための当事者研究」、さっそく第一回を始めたいと思います。「鉄は熱いうちに打て」って言いますからねー。

記念すべき第一回目のテーマは――
当ブログでこれまでに一番「共感しました」というコメントをいただいたエントリ私が人に会いたくない理由です。
あのエントリは「自分語り」っぽく書いてありますが、それを「当事者研究」にしたらどうなるか? っていうのをね、やってみようと思います。

まず、なぜ私は「人に会いたくない」と思ってしまうのか、上記エントリからは、大きく分けて3つの理由が読み取れます。

(1)経済的理由(出費が痛い)
(2)心理的理由(人と会っても楽しくない)
(3)身体・健康上の理由(体力を消耗する)

で、この3つの理由が複雑に絡み合って、「人に会いたくない」という思いを形成しているみたいなんです。 「複雑に絡み合って」というところがミソです。

例えば、人と会ってランチだのお茶だのするのに二千円かかるとして、確かに無職には痛い金額なんだけど、でも楽しければ別にオッケーだと思うんですよ。誰かと会って、楽しい時間が過ごせたなら、体力を消耗して、その後2、3日くらい使い物にならなくても、別にいいんじゃないかって思えるんです。

問題は、過去わりと長い間、私が誰かと会って「楽しかった」とはまったく思えなかった、ということで。
楽しくないのに、むしろ苦行のように感じるのに、なんでお金を使ってまで人と会って、しんどい思いをしなきゃならんのか?
それくらいなら、一人で家にいて、本でも読んでた方がいいじゃん。

・・・とまあ、だいたいこういう思考回路でした。「でした」っていう過去形なのは、今の私には、「人と会って楽しい」と思えることが、たまにですが、あるからです。
どうして「楽しい」と思えるようになったのか、あるいはまた、どんなときに「楽しい」と感じて、どういうときに「楽しくない」のか――というのも、研究テーマとして面白いんじゃないかと思いますが、ひとまずそれは置いておいて。

「人に会いたくない」理由をよくよく探ってみると、個人的に、自分にとってより切実な問題だと感じるのは、(3)に挙げた「身体・健康上の理由」みたいなんです。

「金がない」とか「人付き合いがしんどい」という問題については、全員ではないだろうけど、非コミュの方々には、それなりに共感してもらえるのではないでしょうか。
ただ、これまでに上記エントリに寄せられたコメントを読むと、自分の「身体・健康上」の悩みについては、他の人とあまり共有できていない、と感じるのです。
だからここで、それについて考えたいと思います。

まず、私が「人に会う」ことを躊躇してしまう「身体・健康上の理由」について考えると、大きく2つに分類できるように思います。
一つは、もし当日風邪をひいてドタキャンすることになってしまったら、相手に申し訳ない、という心配。
もう一つは、私にとって「人に会う」ことは、ものすごく体力を消耗するイベントだ、という問題。
前者は「事前」の、後者は「事後」の問題、といえるでしょう。

前者の「当日風邪をひいてドタキャンしてしまうかも」という不安について。
実際に、大事なイベントの日に熱を出したこと、過去にも何度かあったんです(このブログの過去記事「風邪の日の日記」にも書きましたが)。
だから、例えば予約が必要なレストランやら飲み会やら、ドタキャンすると迷惑がかかる状況というのは、気持ちの上でプレッシャーが大きくて、避けがちになってしまいますね。
けど、冷静に考えると、「風邪をひいて熱を出したから、ドタキャンした」という状況は、普通に人と会う限りにおいては、まあ理解してもらえるというか、それほど大きなトラブルになるわけでもなかったです。
それがわかるようになってからは、前もって予定を入れることも、ある程度できるようになりました。

だから、ここまでは、今の自分にとっては、ものすごく大きな問題というわけではないのです。
私にとって一番大きな問題、それは人と会うときに「体力を消耗する」ってことです。

体力を消耗したところで、数日で回復するならそれでいいじゃないか、と思われるかもしれません。
でも、私にとってはそんな単純な問題ではないのです。これは自分の持病と関係する話です。

私の持病については、過去に「病歴」というエントリに書きました。
今回の話に関係するのは、その病歴のうちの「アトピー」です。

つまり、こういうことです。
多少体力を消耗したところで、乳癌や統合失調症が再発する、とは考えにくい。
けど、極度の疲労やストレスの後、アトピーが激悪化する、というのは、過去に何度も経験してるんです。

「激悪化」というのがポイントです。
軽度のアトピーなら、痒みや手荒れ、肌荒れといった不快な症状はあっても、日常生活は送れます。
でもアトピーが重症化すると、普通の日常生活を送ることすら厳しくなるのです。
それは外見上の問題だけにとどまらない。
症状が酷いときには、家でじっと座っているだけでも、気が狂いそうな痒みや、全身の皮がずる剥けになったような痛みに、一日中耐えなければならない。

しかもその重症化したアトピーは、治るのに半年、場合によってはそれ以上、かかるんです。この場合の「治る」というのは、「完治する」という意味ではなく、「日常生活や外出に支障のないレベルまで回復する」という意味です。

そして残念ながら、このアトピーの重症化に伴う苦痛については、経験したことのない人には、どれだけ言葉を尽くして説明しても、理解されないみたいで。アトピーの重症化を経験した人にとっては、アトピーがそんな生易しい病気じゃないということ、文字通り肌で感じておられるでしょうが……そうでない人にとっては、アトピーは「ただ痒いだけの病気」と思われてるみたい、なんですよね。

ともあれ、ほんの2、3日間で激悪化したアトピーが、回復するのに半年以上かかる。
そういう経験、これまで何度もあったんです。

鮮明に覚えているのは、高校の修学旅行のとき。確か3泊4日ほどの旅行でしたが、アトピーが激悪化して、治るのに半年かかりました。
その他にも、風邪で高熱を出して寝込んでる間に、アトピーがものすごく悪化してしまい、やはり回復に半年以上かかったこともあります。
あと、今だから言えることですが、クラウドシティに在籍していたとき(→過去記事参照)も、アトピーの激悪化を経験しました。あれはストレスが原因だったと思います。

というわけで、私の場合、「人に会いたくない」という気持ちについてよくよく考えてみると、「身体・健康上の理由」が大きい。とりわけ「アトピーが重症化する不安」が根底にあるみたいなんです。
実を言うと、私が「働くこと」を妨げているのも、アトピーがかなり大きな問題として立ちはだかっているように思います。

心身の疲れやすさ、コミュニケーションへの不安、不眠、そういった問題は、私がいま受けている癌の治療や、統合失調症とも関係があるかもしれない。癌や統合失調症についても、再発の不安はずっと付きまとっているし、実際に再発も経験しました。

でも、自分にとって、これまでずっと長い間、日常的に、もっとも頻繁に悩まされてきたのは、アトピーの症状だったんです。
アトピーは確かに、命に関わる病気ではない。そうであっても、半年以上もの間、日常生活に支障をきたすレベルの苦痛に耐えるのは、さすがにしんどい。

解決策としては、今のところ、「日常的な体力作り」と「外出は半日くらいにとどめておく」ということくらいしか、できてないです。
午前中に出かけるときは、午後は休む。人と会うときは、午後からの半日くらいにとどめておく。特に疲れそうなイベント(通院を含む)は、間をあけて入れるようにする。そうやって、「疲れをためないレベル」で活動するように気をつける。
あと、ウォーキングはできるだけ毎日、できないときは室内でストレッチをやる。
そういったことを心がけるくらいしか、できないです。今のところ。


――どうでしょうか。
これまで、当ブログの過去記事「私が人に会いたくない理由」には、「共感しました」というコメントをたくさんいただきました。

でも、ここまでの話を読むと、むしろ「あれ、自分とは違うな…」と感じる人が多いのではないでしょうか。
そう、詳しく見ていくと、「人に会いたくない理由」は、細かい部分において、人それぞれ異なるはずなんです。あるいはまた、その時々によって変化するものではないかと。
だからこそ、「当事者研究」は、一人一人が取り組むことに意義があるのではないでしょうか。

というわけで、「人に会いたくない」非コミュクラスタの皆様も、ぜひ当事者研究をやってみてください。
やり方としては、人に会いたくない理由について、冒頭に挙げた「経済的理由」「心理的理由」「身体・健康上の理由」の3つの観点から捉え直し、それぞれ書き出してみて、どの理由が自分にとって大きなウェイトを占めているのかを考えるところから始めるといいかもしれません。
あるいはまた、他の選択肢もあるかと思います。

ここまで読んでくださった方に。
もしよかったら、ご意見やご感想、あるいはご自身の「当事者研究」の成果等、コメントいただけると嬉しいです。 コメント欄に書き込んでいただいても、拍手コメントでも構いません。
いただいたコメントは公開する可能性があります。公開を希望されない場合は、「非公開で」とお書き添えください(拍手コメントの場合は、「レス不要」にチェックを入れてください)。

ということで、皆様どうかご協力よろしくお願いしまーす♪






| ●月ノヒカリ● | 当事者研究 | comments(8) | trackbacks(0) |
2017.12.12 Tuesday 00:02
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Comment
2016/01/09 10:35 AM posted by: ノラ
とても興味深いです。
ヒカリさんのブログ記事の中でこの話題が一番私にとって興味深く、一番乗りしちゃいました。
かなり長くなりますが、お読みいただけると嬉しいです。

私はものすごく「人に会いたくない」ヒトです。
ただ、今の世の中、一見ほどほど社交的に見える人でも、結構「人に会いたくない」という人は案外居るという印象です。
過去に、下記の意見を、いろいろな職場でいろいろな人と話したことがあります。完全同意した人もいましたし、多くは,鉢△砲弔い討呂曚榮碓佞箸いΥ兇犬任靴拭
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

|韻法△弔泙蕕覆ぁ覆△泙蟠縮のない話を一方的に聞くだけの場合)。
∩蠎蠅箸粒覆琉磴い魎兇検引け目を感じる。
5い陵く返答ができないので、相手を退屈させてしまうのではないかと思う。
と駘兮亳果、時間対効果を考えてしまう。
イ修發修盂擇靴い隼廚Δ海箸減っている。

^貶通行のコミュニケーションだと予想される場合は、会いたくないし、断ることもあります。
職場の飲み会も、知らない社員の昇進とか異動の話がよく出るのですが、私はそういうことに興味がないし、知らない人についての話なので、楽しく聞けないし、うまい反応も返せません。

∋笋論擬勸ではないので、相手が社員だと、格が違うと感じてしまうことがあります。
学生の時の友達とも、かなり長い間会っていません。卒業して以来、相手は偉くなっていたり子育ての真っ最中だったりして、もう興味も違ったりしています。

私自身が面白い話や気の利いた話をできないので、相手を退屈させてしまうと感じます(そう言われたことはないですが)。また、聞いて欲しいというだけの相手に対して、ついつい、いろいろ説教ぽく言ってしまうことがあり、後で自己嫌悪になります(相手は気にしていないのかもしれませんが)。何度もそういうことを経験し、無駄なエネルギーを使いたくないと思うようになりました。

い海譴話線しますが、何かをする時に、お金と時間・労力をかける価値があるのか、考えてしまいます。せっかくの休日や自由時間を、自分がつまらないと感じることに費やしたくないと思うようになりました。

コ擇靴い隼廚┐襪海伴体、激減しています。たぶん歳のせいです。勉強や仕事で課題を克服・完結させた時、良い演奏を聴いた時、楽しいと思えますが、どちらかというと嬉しいとか充実に近いです。
勉強や仕事以外では、家族と美味しい食事、温泉卓球、自然の中でのウオーキングをすると比較的楽しいです。

結構自己中な理由かもしれないですね。
私は、嫌だと思ったら、できるだけ付き合いを止めています。自分にとって大事だと思う相手だけに、時間を作れば良い、という感じです。
職場でのランチ等も、以前は無理やりでも付き合っていたのですが、昼食後の時間を別のことに使いたくなって、行かなくなりました。最初は寂しい気分もあり、何となく孤独感はありましたが、それ以上のメリットがあったのです。変な人間関係トラブルに巻き込まれず、グループに入っていなくても重要な情報のみは別のところから入ってきました。
また、職場とかで仲がよさそうにしていても、どちらかが退職するともう音沙汰がないという話もよく聞き、無理に付き合う必要性を感じなくなりました。

もしかしてこれが、歳を取るということなのかも・・・
長くなってしまい、すみません。ありがとうございます。
2016/01/09 2:14 PM posted by: -
管理者の承認待ちコメントです。
2016/01/09 7:19 PM posted by: -
管理者の承認待ちコメントです。
2016/01/09 11:38 PM posted by: 月ノヒカリ
☆ノラさん

こんばんは。
素晴らしい当事者研究です! ありがとうございますー。
でも実は、昨日の時点で、拍手コメントで当事者研究を書いてくださった方がいて、ノラさんは二番乗りなのですね……。
この後どうするか迷ったのですが、ノラさんからいただいた当事者研究については、また後日、別エントリを立てて掲載したいと思います。
もうしばらくお待ちください。
コメントありがとうございました。



☆「末井昭さん」で検索してこられた方へ

コメント拝読しました。
とても嬉しかったです。ありがとうございます!!
2016/01/10 10:55 AM posted by: ノラ
再度の投稿、すみません。

こうして書く機会が今までなかったので、いろいろ発見がありました。
私の場合は、非コミュでもあまり実生活上困らないので、非コミュになっていることが分かってきました。(効果が同じなら、人はラクな方に流れる。)
そこで、自分はどういう時に非コミュだと困るのか、考えてみました。

A.自分にとって大事なシーン・大事な人とのコミュニケーションで、先ほど書いた 銑に遭遇してしまう。
B.楽しく談笑している人たちを見ると、うらやましく思う。暗い性格と思われるのが怖い。

対策も考えてみました。どちらも、ものすごく難しいです。
A.結局、私の非コミュに関する悩みは、この「A」の悩みに尽きることが分かってきました。
もう、相手の話を真摯に聞いて、頑張るしかないです。
そういえば、今まで、書籍「できる大人のモノの言い方大全」等を買って読んでみました。しかし、本来の私の性格とは違う過度なおべんちゃら言葉はとっさに口から出ず、あきらめてしまっていました。
このような書籍から、良い表現だなと思ったもの・スムーズに言えそうなものを使えるように予行演習しておけば、徐々にこの悩みが解決できそうな気がしてきました。
これは、簡単ではありません。そんなに簡単なら既に実行できています。ただ、その努力が必要なのだと思います。

Bは、加齢とともにあまり気にしなくなりました。これは、単に表面上の仲の良さを装うのではなく、たとえ少数の人とでも内面でつながることができれば、克服できるかもしれません。
また、暗い性格であると認め開き直ることも必要かもしれません。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

非コミュでも困らないのが、仕事の時です。仕事では、仲の良さは、仕事に直結しないからです。仲が良いからといって特別扱いされることはあまりないと思います。多少差があっても微々たるものです。
仲が良いことが仕事の評価等に直結するような職場なら、もう先が見えているので、早く異動・転職するか、組織改革した方が良いと思います。
2016/01/11 11:29 PM posted by: 月ノヒカリ
ノラさん、再びこんばんは。

>こうして書く機会が今までなかったので、いろいろ発見がありました。

はい、当事者研究については、まずは「問題点を書き出すこと」、そしてそれを「誰かと共有すること」、が肝なんじゃないかと考えてます。
あと、自分が書いた言葉が、人目に触れる場所にUPされることで、より客観的に見られるようになる、という面もあるのではないかと。

ノラさんはもうすでに、ご自身で答えを見つけられたみたいですね。自分で書くだけで、自分で答えを見つけられるって、素晴らしいです。

ここまでに書いていただいた当事者研究は、また後日、ブログ記事に掲載させていただきますね。
ただ、その前にUPしたい記事が他にあるので、もう少し先の話になると思いますが……気長にお待ちいただけると嬉しいです。

ノラさんも、ご自身が見つけた対策、ぜひ試してみてください。また何か成果があったら、教えてくださいね。
といっても、別に急ぐ旅ではないので、のんびりいきましょう♪

コメントありがとうございました。それではまた。
2016/03/11 3:31 PM posted by: まみ
はじめまして。
書き込むのが遅くなってしまいましたが、私も参加させてください。
今現在、私も人に会いたくない気持ちが強く、友人と疎遠になっています。
月ノヒカリさんの人に会いたくない理由に沿って、自分も考えてみました。
(1)経済的理由
収入がほとんどなく、もったいなく感じてしまう。

(2)心理的理由
人にあっても楽しくない。
自分の現状を話したくないし、きかれたくない。
上手くいっている人の話を聞くのが苦痛。
同情されたり見下されるのが嫌。
話すのが苦手。

(3)身体・健康上の理由
途中疲れてくると、相手に気をつかえなくなってくる。

私の場合、心理的理由が大きいようです。
2、1、3の順で深刻度が大きいです。

最近友人と会いたくないなあと思ったのは、会っても楽しくなく、疲れてしまったからです。

私は人としゃべるのが得意でなく、仲が良い人と一緒にいても、沈黙ができてしまい「何喋ったらいいんだろう・・・」と、不安になってしまうことがあります。

今現在、仕事についていないので、就職、結婚、出産と、人生のステージを着々と進んでいっている人に、なんとなく引け目を感じてしまうし、見下されるのでは・・・とか、相手に気をつかわせそう・・・などと考えてしまいます。

3は2が原因になって引き起こされているようにも感じます。
長時間人と一緒にいると、疲れてきて頭痛がしてくることがあります。そして相づち、顔の表情などを失礼のないように保つのが難しくなってきます。
自分のタイミングで帰れればいいですが、そうでない状況もあります。
たとえば、その場所まで他の人の車に乗せてきてもらった場合、言い出しにくいです。


まとまりのない文章で申し訳ありません。

2016/03/12 11:09 PM posted by: 月ノヒカリ
まみさん、はじめまして。
「人に会いたくない」当事者研究にご参加くださって、ありがとうございます。

まみさんの書かれた内容、実はこの次にとりあげる予定の方と、ちょっと似ているんじゃないかと感じました。
なので、次回の更新をお読みいただければ幸いです。

まみさんの当事者研究については、次の次に、ブログ上でレスさせていただきますね。
ちょっと今リアル生活の予定が立て込んでいるので、少し先になるかもしれませんが、気長にお待ちくださいませ。
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