2016.08.29 Monday 00:20
今回は、癌の再発以降の、治療その他についての覚書です。

まず、6月に始めた骨転移の治療薬「ランマーク」について。すでに3回、注射しました。
1回目の投与では、ブログの過去エントリに書いたように背骨の痛みがあったのですが、2回目以降は、そういった副作用は出なかったです。
12年前に抗がん剤治療をした時もそうだったけど、「最初の投与は副作用がつらく、続けるうちに副作用が軽くなる」というのが実感です。
もともと骨転移のある腸骨の痛みも、今はかなり軽くなりました。
なので、初回治療の副作用がつらくても、治療を続ける価値は十分ある、というのが今の実感です。

6月に受けた最初のランマーク治療の後、ブログで「背骨が痛い〜」と大騒ぎしてしまいましたが、あの痛みは初回のみでした、ということ、改めてご報告します。過去記事だけ読んで、ランマークの副作用を過大評価されませんように。


あと7月に、脳のMRIと頚椎のCT検査をしたのですが、どちらも今は、心配はいらないそうです。
というわけで、まだ当分は、まあまあ元気に過ごせるらしいとわかってほっと一息、という感じです。


せっかくなので、癌の治療についてのTipsを少々。
私は乳がんしか経験していないので、乳がんに限定しての話ですが。

初回治療(最初に乳がんだと診断された時の治療)の場合、抗がん剤治療は「決められた量を決められたスケジュール通りに行う」のが大事だと言われています。
でも、癌が遠隔転移して、基本的に「治癒が見込めない」状況になった場合は、患者のQOL(生活の質)を優先してもいい、という話を過去に聞いたことがありました。

今やってる骨転移の治療薬ランマークは「4週に1回の注射」と主治医に言われたのですが、実は7月は、治療を一週間伸ばしたんですよね。
というのも、治療予定日直後の週末に、とある舞台のチケットを買ってあったのです。楽しみにしていた観劇だったので、もし治療の副作用で観に行けなかったら悔しいよなあ、と思い、先生に「次回の注射を一週間伸ばしたい」とお願いしました。そしたら、あっさり「いいですよ」と言われまして。おかげで、チケットを無駄にせずに済みました。

……この辺の感覚は、普通に主治医と話してるだけだと、ちょっとわかりづらいんですよね。主治医に「4週に1回の注射」と言われたら、患者としては絶対に守らなきゃいけないのかな、と考えてしまう。

●乳がんの初回治療では、「再発の可能性を減らす」ために、つらい副作用を我慢してでも、しっかりガイドライン通りの治療した方がいい。
●でも、もう「完治が見込めない」状況なら、投薬スケジュールよりも、「自分のやりたいこと」やQOLを優先してもいいケースもある。

こういう話は、過去に、乳がんの患者会で教わったことです。
もう十年以上前になりますが、勉強熱心な患者さんの集まる会では、乳腺外科医等を講師とする勉強会がしばしば開催されていました。
乳がんのタイプ別治療法、乳がんが転移しやすい臓器、局所再発と遠隔転移の違いetc.…そういった話は、一通り勉強会で教わったんですよね。
そのおかげで私も、3年前のリンパ節再発の時、また今回の骨転移・肝転移がわかった時も、比較的すんなり自分の状況を把握できたんだと思ってます。十年前とは、治療法が変わった部分もありますが、大枠は変化していないので、あの当時聴いた話は、今も役に立ってます。

ただ逆に、ヘタに知識を持ってしまったせいで、頭痛が起こった時に、「もしや脳転移ではないか?」と不安を抱えることになったわけで。「知らない方が、余計な不安を抱えずに済む」という可能性もあるかと思います。
癌患者が、自分の病気について勉強することのメリットとデメリット、両方ありますが……やっぱり私は「ある程度の知識はちゃんと得た上で、安心したい」タイプ、みたいです。

私の場合、たまたま自分が乳がんと診断された時代に、ネット上にも身近にも患者コミュニティがあって、それに協力してくれる専門医の先生もいたので、知識を得ることができたのですが。

こういう、「乳がんなら乳がんの患者を一堂に集めて、専門医が病気について一通りレクチャーする」ようなシステムが制度化されれば、診察時間の短縮につながるんじゃないか? みたいなことを考えたことがあります。
自分の病気について、大まかな知識は「患者を一堂に集めて専門家がレクチャーする場」で、同病の患者みんなが共有する。その場で質疑応答も受け付ける。その上で、個別の状況について疑問があれば、診察時間に質問すればいい。
そうすれば、手術とか治療についての説明が、よりスムーズに進むんじゃないか?
・・・まあ、これは私の勝手な妄想ですが。
どんなに丁寧に説明してくれる医師であっても、短い診察時間で伝えられる情報は限られるし、患者としても、診察時間以外で、自分の病気について教えてもらえたり、質問できたりする場があるのは、とても有り難いのです。
実現は難しいのかもしれませんが、言うだけならタダなので、ここに書いておきます。

あと、福祉の問題について。
これは乳腺外科の医師より、ソーシャルワーカーに相談したほうがいい案件ですよね。具体的には、介護保険サービスについて、とか。
癌の末期で、介護が必要なレベルになった場合、40歳以上で介護保険料を払っている人なら、介護保険が利用できるんです。 でも、「癌でも介護保険が利用できる」ということ自体、あまり知られていないみたいで。この情報も、私は、乳がんの患者会経由で知ったんです。

主治医の診察時間は、本当に「治療」の話だけで、それはそれで仕方ないのですが。
でも「治療」以外の部分で、患者にとって必要かつ有益な情報というのもあると思うんですよ。例えば、「◯◯の検査費(あるいは治療費)はいくらかかるのか」とか、そういうレベルの話。医師の診察の時には、あんまり「費用」の話って出ませんよね。
あと、本当に単純に、自分と同じ治療をしている患者さんと会って話せると、なぜか安心感が湧いてくるというのもあって。

今のところ、そういうニーズに応えてくれる場は、患者会のような場しかない状況です。
でも、幸いなことに、自分の身近にそういう場があるので、がんの話はそっちですればいいかな、と今は思うようになりました。


最後に、せっかくなので、骨転移と脳転移について、私が参考にしたサイトのURLを貼っておきます。

「知っておきたい骨転移」(がんナビ)
「Q47.脳転移について教えてください。」(患者さんのための乳がん診療ガイドライン)

あと、日本乳癌学会の医療者向けの「乳癌診療ガイドライン」も、ネット公開されていますし、「がんサポート」(今回私が見たのはガンマナイフ治療の記事)なんかも、比較的信頼できるサイトだと思ってます。

ネット上の情報を参考にするとき、最初にチェックするのは、「著者は誰か」「発信元はどこか」ってことです。 医療者が書いた記事をより信頼しますが、患者さんの書かれたブログから、有益な情報が得られることも多々あります。そこで見つけたキーワードで、さらに検索して、専門医が書いた記事にたどり着く――というのが、私がしている検索の定石です。

私は、「すべての患者が、乳癌学会が提示するガイドライン通りの標準治療をすべき」とは思っていないのですが、「ガイドラインはすべての患者が共有しておくべきじゃないか」とは考えています。ガイドラインから外れる治療を選択するなら、なおさらガイドラインは踏まえておくべきじゃないかと。

まあでもこれ以上、堅苦しい話をするのも面倒なので、この辺で。

今の私は、そうすぐに容体が急変することもなさそうなので、あまり病気のことばかり考えるのもなあ、かえって不健康かも――という気もするので、病気以外のことにも目を向けたいです。
せっかく残された時間があるんだから、他のやりたいこともやっておきたいですし。

というわけで、次の更新は、できれば病気以外のことを書けたらいいなあ、と思います。






| ●月ノヒカリ● | 病気 | comments(0) | trackbacks(0) |
2017.03.19 Sunday 00:20
| スポンサードリンク | - | - | - |
Comment
name:
email:
url:
comments:
Trackback
http://newmoon555.jugem.jp/trackback/515
Search
Profile
Category
Recommend
Recommend
私の幸福論 (ちくま文庫)
私の幸福論 (ちくま文庫) (JUGEMレビュー »)
福田 恒存
たとえ不幸のうちにあっても、私たちが「幸福である」ために
Recommend
新版・小説道場〈4〉
新版・小説道場〈4〉 (JUGEMレビュー »)
中島 梓
わが人生の師。全4巻
Recommend
敗北からの創作
敗北からの創作 (JUGEMレビュー »)
明川 哲也
9・11テロ後「敗北」した私たちにできる「創作」とは?
Recent Comment
Recent Trackback
Links
Admin
Calendar
   1234
567891011
12131415161718
19202122232425
262728293031 
<< March 2017 >>
Latest Entry
Archive
【WEB拍手】
応援してくれる人、拍手ポチッと押してね↓↓↓
↓ブログ主に小銭を!
Twitter(生存確認用)
Analytics
Sponsored links
Mobile
qrcode
無料ブログ作成サービス JUGEM