2017.01.12 Thursday 00:05
早速ですが、今年最初の短歌をUPします。
連作「蟹と闘う」です。

短歌に関心のない方にも、読んでいただけると嬉しいです。
解説は後ほど。

 「蟹と闘う」

繰り延べた死を思い出す前夜祭 診察券は財布に入れる

いつもとは違う路線の地下鉄に乗る乗り換えるここが戦場

本日の受付番号、平安京遷都と1番違いで惜しい

フルネーム何度も問われ何度でも答える喉がやや縺れつつ

皮膚を破り侵入者として血液を奪う針から目を逸らしてる

やわらかなからだに傷をもつ人が固まりながら待つ白い部屋

ペパーミントグリーンの声で話す医師はわたしの不安を食いとめる役

「問題はないです」なんて異常値の腫瘍マーカー見せて主治医は

注射器が小さな戦士を送り込む 蟹に侵され傷んだ骨に

病院の午後のひかりは淡くなるゆるやかになる 少しだけ眠い

えーと、意味はわかっていただけたでしょうか。
以下、野暮だとは思いますが、ちょっとだけ解説します。


この連作は、癌の治療のための通院の日を短歌にしたものです。
蟹 → cancer → 癌ってことです。

一首めは、「遠足は前日の夜から始まっている」みたいな感じで、病院へ行くときも、前日からちょっぴりそわそわしてる、わけです。

三首め。
大きめの病院では、最初に診察券を受付機に通すことになっていて、そうすると「受付番号」を書いた紙が発行されるわけです。診察の際は、その番号で呼び出されるので、受付番号が覚えやすい数字だと、ちょっぴりラッキーな気がするんですよ。
ちなみに平安京遷都は、794年ですね。私は、「鳴くよウグイス平安遷都」と覚えました。

四首め。
血液検査の際、患者の取り違えがないよう、しつこくフルネームを確認されるのを、短歌にしてみました。

五首めは、採血の様子。

六首めは、待合室のイメージです。

七、八首目は、診察室で。

九首目は、骨転移の治療のための注射ですね。
治療に使われるのはランマークという薬で、看護師さんが注射してくれます。骨に悪さをする「ランクル」という物質にピンポイントで働きかける薬、だそうです。


この記事のタイトルには「闘病短歌」などと書いてしまいましたが、あれは煽り文句のようなものです。すみません。
今のところは、「闘病」などという、そんな悲壮感あふれる状況ではないです。
場所は病院ですが、別にどうってことのない、ごく普通の日常の風景ですね。

これらの短歌は、診察までの待ち時間とか、病院からの帰り道に、考えていたものです。

短歌に馴染みのない方にも伝わるといいな、と祈りつつ、つくりました。
感想等いただけると嬉しいです!


☆2017.1.20追記
一首足して、少し順番を入れ替えました。


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| ●月ノヒカリ● | 短歌 | comments(0) | trackbacks(0) |
2017.09.15 Friday 00:05
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