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2017.11.30 Thursday 00:00今回は、再発癌の治療の話です。
相変わらず、癌の腫瘍マーカーは上昇し続けていて、肝転移も大きくなっていて。
そろそろまた、薬を変えなきゃいけない時期なんだろう、けど。
主治医には、治験を勧められているんですよね。
二種類の抗がん剤の比較試験なんだけど、私はあまり乗り気ではない。というか、はっきり言って、その治験には参加したくない。
理由は、一つの抗がん剤が、脱毛を含む副作用があるから。他に選択肢がなければ、脱毛する薬でも諦めて使うかもしれないけど……今の時点で、脱毛を伴う抗がん剤は使いたくない。
で、私は主治医にそう伝えたんですね。「脱毛する抗がん剤は嫌です」って。
でもね〜、なぜか主治医には、繰り返し治験を勧められるんですよね〜。
えーと、これはつまり、病院側の都合で、私に治験を受けてほしい(データを取りたい)のかな? とか、考えたりもしました。でも、どう言われても嫌なものは嫌だし、自分の体のことなので、自分のQOLを優先したいです。当然のことだけど。
えっと一応、念のために書いておくと。
乳がんの治療は、初回治療(乳がんの診断された時点の治療)は、決められた通りの「標準治療」をした方がいいと言われています。
でも、遠隔転移して、基本的に治癒しないとされている状況なら、自分の好きなようにやっていいと思うんですよ。
風の噂か都市伝説かっていうくらいのレアケースだけど、「癌で余命宣告されたけど、世界一周旅行に行って帰って来たら、癌が消えていた」という話を聞いたことはあります。
それなら、ダメ元で世界一周してみるのも手ですよね。
——って、私は、そこまで度外れて「好きなようにやる」ほどの体力も経済力も持ち合わせていないです。
高価なサプリメントの効用もあんまり信じていないし。
だから、私が「好きなようにやる」といっても、「再発乳がんの治療薬のうち、比較的副作用が少ないものから試したい」という、至極穏当なレベルの話に落ち着くわけです。小市民ですねー。
診察室で、次の治療について主治医に尋ねてみたら、「肝臓の転移が大きくなっている場合、命に関わるので、ある程度強い抗がん剤で叩いておくのが一般的。だけど、決まりはない」とのこと。
「決まりはない」のなら、私は、副作用が軽めの薬から使っていきたい。
私の場合は、「生存期間が数ヶ月延びる」ことよりも、QOLの方が大事。
——ということ、主治医に話してるつもりなんだけど、伝わってないのかも。
診察室で主治医とのやり取りがスムーズにできるよう、「今後の治療に使える薬とその副作用のリスト」が欲しい。けど、どこで手に入るんだろう?
よくわからないままに、がん患者支援センター等を回って尋ねてみて、それらしきリストを手に入れました。
「納得できないまま治療する」ことにはならないよう、これから先使うかもしれない薬の名前くらいは覚えておこうと思います。あまり気乗りのしない作業だけど、この先、そんなに長くないかもしれない残りの人生がかかってるわけだから、仕方ないです。
で、主治医が提案する治験を断っても、患者として、今後の治療をしていく上で不利な状況になる、なんてことはないですよねえ。
こういうことで、ちまちま悩んだりするのって、「世界一周して癌が消えた」的な人と正反対な気がする。でも、そういう性格なのだから、これも仕方ないです。
うーん、気が重いなあ。
まあでも、私は、「明るく前向きな闘病ブログ」をやるつもりはないので、これでいいのです。
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2019.02.17 Sunday 00:00| スポンサードリンク | - | - | - |
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Comment
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2017/11/30 8:15 AM posted by: くろ風の噂とか都市伝説ではないですが
たしか、宮迫千鶴さんの本の中に
「森の中を裸でさまよって戻ってきたら癌が消えていた」
知人だか友人だかの話がありました。
私はこのブログを読むたびに月ノヒカリさんにも何らかの奇跡が起きないかな〜と思っていたりします。
つまり、生きていてほしいということです。
このブログのあることに感謝しています。
ではでは。
追伸・広島にはまんが図書館があって、大いに楽しみました。
『はだしのゲン』の中沢啓二さんのまんがは全てありました。
中沢さんは、爆心地の現実を見た方です。
被爆者の絵画はずいぶん見ましたが、中沢さんの画力は素晴らしいものだと私は思っています。
ホラー漫画はたぶん想像です。あまり好きではないので見ません。怖いし。
中沢さんの絵は、見た現実に基づいている、だから、知りたい人はたくさん知ることができる資料として私は見続けます。
(私は若干体験主義かもしれません。)
蝋人形も、被爆者を診察した医師に見せて作成したものだ、と何かで読んで、撤去される前に見たかったのです。
見ることができてよかったです。
では。
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2017/11/30 8:26 AM posted by: くろたびたびすみません。
啓二さん
ではなく
啓治さん
です。
お詫びして訂正いたします。ごめんなさい。
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2017/12/03 11:29 AM posted by: 雪月こんにちは。
>世界一周旅行に行って帰って来たら、癌が消えていた
いいですね〜。財力があれば私も試してみたいくらいですよ。身も心も洗われたんでしょうね。
>「決まりはない」のなら、私は、副作用が軽めの薬から使っていきたい。
同感です。そしてやはり自分が納得する治療をしてほしいですよね。
医師の意向そのままに治療するのは嫌なのって、明るくはなさそうですが前向きではあるんじゃないかなと私は思います。
ヒカリさんの気持ちがちゃんと伝わるとよいですね。
ではまた。 -
2017/12/05 12:25 AM posted by: 月ノヒカリくろさん、こんばんは。
いろいろとお気遣いありがとうございます。
心無い嫌がらせをする人がいる中で、体調を気遣ってくださる方も存在するということ、心強く思います。
ステージ4のがん患者さんが、「奇跡が起こって治ってほしい」と願うのは、よく聞く話ですし、自然な気持ちだと思いますが、私はなぜか、そういう考えはあまり湧いてこないんですよね。奇跡以前に、ちょっと今の世の中は異常すぎるので、もう少しまともな世の中になってくれないと、生きていける気がしません。
確かに病状は良くなってほしいですし、病気の苦痛とか、治療の副作用はできるだけ軽い方がいいなあ、とは思いますけど。
「はだしのゲン」は、子どもの頃、途中の巻までしか家になかったので、最後まで読んでないんです。大人になってから再チャレンジを試みたんですけど、途中で挫折しました。
「はだしのゲン」も実は、単に反戦平和を訴えるだけの内容ではないらしいので、一度は通読したいんですけど、その機会があるかどうか。
コメントありがとうございました。それではまた。 -
2017/12/05 12:27 AM posted by: 月ノヒカリ雪月さん、こんばんは。
そうですよねー。「世界一周旅行して癌が消えた」って、最高に楽しそうな治療法です。
でもよくよく思い出したら、この話、「どうせ死ぬなら全財産はたいて世界一周しちゃおう」という人の話だったような……で、癌が消えたのはいいけど、全財産使い果たしちゃって、どうするんだろねこの人。という話を、かつて、友人とした記憶があります。
やっぱり「夢のような話」なんでしょうね。
>明るくはなさそうですが前向きではある
そう言っていただけて、嬉しいです。
「使える薬のリスト」については、数年前に読んだステージ4の乳がん患者さんの闘病記に、「使える薬のリストを主治医と一緒に見ながら、一つ一つ試していった」と書いてあったのを、ふと思い出したからです。
私も、癌の患者さんが迷った時に、ふと思い出してもらえるようなこと、ブログに書いていけたらいいなあ、と思っています。
コメントありがとうございました。それではまた。 -
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