2009.10.27 Tuesday 21:38
以前、「よしもとばななと池内ひろ美の職業差別」の記事を書いたとき、私は就職氷河期世代として、自分の体験を語るつもりだった。それを今ちょっと書きます。

もう一年以上前のことだが、「はてな」のいわゆるロスジェネ世代が書いた以下の記事を、私は強い共感と痛みを感じながら読んだ。
 30歳から34歳が受けた心の傷
 敗残兵から一言
 ロスジェネとか雇用とか(一当事者として) 
 氷河期の猛吹雪にズダボロに引き裂かれた人々と、グングン成長した人たち

この中の「敗残兵から一言」という表現が気に入ったので、私も敗残兵の一人として、ここで言いたいことを言っておこうと思う。

私が大学を卒業する頃、「就職氷河期」といわれる時代に突入した。
まず女子に対して、風当たりが強くなった。
だいたい私は「就職活動」というものが苦手だった。
「就職活動」で問われるのは、成績ではなかったと思う。(私はわりと真面目に講義に出席してたので、成績は良かったのです。)
コミュニケーション能力とか自己アピール能力とか面接力とか、さらにいえば体力とか容姿とか、どれも私が苦手なものばかりだった。
ただ実際、私の目から見て「容姿・成績・自己アピール能力」すべてそろったように見えた女子でさえ、苦戦する状況でした。
それで私は、大学を卒業した当初から、非正規職員として働かなければならなかった。

当時私の持病はアトピーだけで、自分では「健康な人と同じように働ける」と思い込んでました。
でもそれは間違いだった。
普通の人には、アトピーって「虫さされ」と同じレベルで「湿疹ができて痒いだけの病気」と思われているみたいだけど、それは軽症の人の話です。
重症のアトピーは「生き地獄」です。
全身、絶え間なく気が狂いそうな痒みと皮膚の剥離にともなう痛みが毎日続く。
「服を着替える」とか、ふつうに身体を動かすたびに、全身に悲鳴を上げたくなるような痛みが走る。
酷いときは、起き上がることもできない。
そういう状態を何度か繰り返して、その度に「死んだ方がマシ」と思いました。

私は、5年前に癌になって、抗癌剤を経験した。あれも髪は全部抜けるし、食べたら吐いちゃうし、すごく辛かった。けど、その体験と比べても、アトピーが重症だったときの方が苦痛だったように思う。
そういう健康上の理由もあって、私は短期間の契約社員やアルバイト的な仕事しかできなかった。
私はいい加減な気持ちで仕事したり、仕事を途中で投げ出したりはできない性格です。契約期間中に仕事を辞めるつもりはなかった。それで、「契約期間が終わるまで頑張る→体力が尽きて病気で寝込む」というのを何度か繰り返した。

入院・手術をともなう大きな病気を、二回した。
そのうちの一つが、癌だった。
その病気のことは、またいずれ書くつもり。

私は、手術の後、体力が回復するのにすごく時間がかかった。
その間、「どうして自分は普通に働けないんだろう」と何度も何度も自分を責め続けた。
結果、メンヘラになりました。もう何年もの間、精神科に通院しています。

それで今現在、私には「外で働ける」ような体力は、まったくありません。
あのさ、普通十年くらい頑張ったら、ちょっとは報われても良さそうなもんじゃない?
でも違った。事態は悪くなる一方だった。
私は別に、大それた夢を持ってたわけじゃなくて、ただ普通に生活していきたかっただけなんですが。
何がいけなかったんだろうね。
やっぱり「健康な身体」じゃなかったから?
それとも「努力」が足りなかったから?
これも「自己責任」なの?

私は完全に壊れました。
もう立ち直るのは無理です。
精神的にも、身体的にも、そんなエネルギーはどこにも残っていない。
壊れたのが1回や2回なら、まだ立ち直れたかもしれない。
でも5回も6回もとなったら、もう起き上がる気力も体力もありません。

私が受けたのは「心の傷」だけではない。
身体にも「傷」を負ってしまった。
私の身体には、大きな手術痕が2ヵ所ある。
小さい手術痕もあわせたら5ヵ所。
この傷は消えない。
「男の傷は勲章」という言葉があるけど、女の傷も勲章になるのだろうか?

まあでも良かったこともあります。
私の両親は、娘が癌になったり精神科に通院しているのを見て、さすがに可哀想に思ったのか、「就職しろ」とは言わなくなりました。お小遣いも貰えるようになりました。そのおかげで今、私はささやかながらオタクライフを楽しむことができるようになりました。

サイレントテロ」という言葉がある。
「自殺」や「ひきこもり」という現象が、「現在の社会に対する無言の異議申し立て」である、というものだ。私もその気持ちはすごくよくわかる。

私だって何度も自殺を考えた。
今生きているのが不思議なくらいだ。
これからだって、いつ癌が再発するかもしれないし、自殺する気も失せていない。
ここ数年、常に身体の不調を抱えていて、「自分はそんなに長く生きられないだろうな」という、不安というか実感がある。まあ私は長生きしたいとは思っていないので、別にいいんですが。

でも私は、黙って死んでなんかやらない。
言いたいことは全部言ってから死んでやる。

というわけで、このブログは私の「遺書」であり「遺言」です。
「死ぬ前にこれだけは言っておきたい」という思いが、私の中には存在する。
できればそれを全部書いてから、死にたい。
でも全部書き終わるには、たぶん年単位の時間がかかると思うので、それまでは死ぬわけにはいかない、と思ってます。

みんな言いたいことがあるなら言っておくべきだよ
| ●月ノヒカリ● | 社会 | comments(10) | trackbacks(0) |
2017.10.20 Friday 21:38
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Comment
2009/10/28 10:49 PM posted by: 月野
・・・すさまじい闘病生活だったんですね。

多分もう知っている事なんじゃないかとは思いますが、衣類の洗剤は、合成洗剤ではなく無添加の純せっけんを使ってますか?
シャンプーも、石鹸シャンプーを。
もしまだだったら、洗剤・シャンプーを変えてみてください。
刺激がかなり違います。

それから精神科では、自立支援法の医療費を使っていますか?
一般的に精神科は、内科や外科と違って治療が長くかかるので、この制度を使うと自己負担が一割になり、経済的にかなり助かります。
今は政治がいろいろ変わり、自立支援法もどうなるか分からない所もありますが、少なくとも来年の三月まではこの制度があるので、もし使ってないのであれば、受付の人、またはお医者さんに聞いてみてください。
医者によっては、こういう制度をなかなか使いたがらない人もいるので、すんなり申し込みが通るかどうか分からないのですが、これは病人が行使していい権利です!

もしみんな御存じであれば、軽く読み流しておいてくださいませ。
2009/10/28 11:07 PM posted by: 月ノヒカリ
月野さん、アドバイスありがとうございます。

アトピーについては、ネットでも情報はたくさん得られまして、自分で試せるものは試してみましたが、なかなか完治には至らないです。

>自立支援法の医療費
こちらも使っています。ありがとうございます。
今現在、少なくとも経済的な困窮はないので、それだけは感謝したいです。

月野さんにはいろいろとお気遣いいただき、本当にありがとうございました。
今後も何か気づいたことがありましたら、教えていただけると嬉しいです。
2009/10/30 4:37 PM posted by: わたさえ
ヒカリさんには前向き度が感じられるから、大丈夫だと思うんですけど…

老婆心ながら…

自分のマイナス部分を見つめすぎて、過度のストレスを抱え込むと、マジで死ぬよ!

某元大臣だって、自分の軽率な行動が党を世紀の大敗北に導いたって感じて
(まあ、その通りなのだけど…)
ストレスから、自らの命を縮めてしまったと私は思っています。

過度のストレスは、その人の最も弱いところをもっと弱めて、
最悪、死に至らしめてしまいます。

私が何でこんな事を言うかというと、それで、大切な人を失ったからです。
病死ってことになっているけど、私は彼の死がどうしても理解できなくて、調べられるだけ調べました。
だって、数日前まで元気だったんですから。
そんな彼の心臓が、急に止まるなんて信じられなかった。

そして、出た結論。
「過度のストレスは、その人の最も弱い箇所を、もっと弱らせて死に至らしめる。」って学説です。

とっても繊細な人だった。
だから、仕事に…人生に…自信をなくして…
それがストレスになって、彼の心臓を止めてしまったんだって。
だから、ストレスを抱えている人を見ると、心配で仕方ないのです。
簡単に「死」って言葉を出して、ごめんなさいね。
縁起でもないですよね。

でも、これ以上、大切な人を失いたくないのです。
許してください。
2009/10/30 11:23 PM posted by: 月ノヒカリ
わたさえさん、こんばんは。
つらいご経験を書き込んでくださって、ありがとうございます。
読んでいて、泣けてきました。

>「過度のストレスは、その人の最も弱い箇所を、もっと弱らせて死に至らしめる。」

確かに、そういうことってあると思います。実感としてそう思います。
ただ、「過度のストレスにある」っていう状態、なかなか周りの人に伝わりにくいです。
ひどいときは、本人にも「過度のストレスにある」という自覚がない場合も。
どうすればいいんでしょうね。

こういう話を聞くと、やっぱり私は、そこまで人にストレスを与え続ける「社会」の方がおかしいのではないか、と感じてしまいます。
そういう「過度のストレス状態」にある人、きっと他にもたくさんいるんじゃないかと思うんです。
どうすればいいんでしょうね。

わたさえさんには、とても大切な、真摯なコメントを書いてくださったこと、心から感謝しています。
2010/09/09 4:27 PM posted by: 月野
おそかれながら、アトピーについての新情報入りました。

私が買ってるメンタル系の雑誌への投稿で、神奈川県の人がアレッポのオリーブ石けんだけでよくなったそうです。
体も顔もそれ一つで洗い、使い続けていると、かゆみもボロボロもなくなったそうです。

それ以上のことは何も書いてないんですが、肌が弱い人って、けっこうメンタル系の病気になりやすいみたいです。
私自身も肌はとても弱く、この夏は激しい日差しで日光湿疹に悩みました。

アレッポのオリーブ石けん・・・どんな石けんか具体的にはよく分からないんですが、良かったら使ってみてください。
2010/09/13 11:52 PM posted by: 月ノヒカリ
月野さん、こんばんは〜。情報ありがとうございます。

>アレッポのオリーブ石けん

これ、私も数年前から使ってるんですよね……。
東急ハンズとか自然食品の店とかで売ってて、体も髪もこれで洗ってます。
確かに使い心地はいいですが、「治る」とこまでは行きませんでした。

たぶん私のはかなり難治性アトピーで、皮膚の表面というよりは、身体の内部の免疫系とかホルモンバランスとか、そういうものと関係しているみたいで、手強いです……。

月野さんは紫外線アレルギー(日光過敏症)なのでしょうか。
今年の夏は特に暑さも厳しかったですから、大変でしたね。
もうすぐ涼しくなるはずなので、あと少し、乗り切りましょう〜。

それから、月野さんのブログの古事記の話も、楽しく読ませていただいてます♪
コメントありがとうございました〜。
2010/10/23 1:47 PM posted by: みそカツ
 月ノヒカリさん、こんにちは。

 過去記事にコメントですみませんo(・ω・`)

〉全身、絶え間なく気が狂いそうな痒みと皮膚の剥離にともなう痛みが毎日続く、、

 私も本当に痒みを甘く見ておりました。堪忍して下さい。

 私はアトピーではありませんが、数年前に突然、全身にプツプツが。

 モゾモゾ、ゾワゾワ、一分一秒、痒くて痒くてその日の夜は一睡もできませんでした。
そのまま仕事に行き、この日は流石に気を失うように、2時間だけ眠れました。

次の日は、また一睡もできずに仕事。

 大きな病院であらゆるアレルギー検査をしましたが、原因不明。

毎日、薬を飲み、ステロイドを身体中に塗りたくり、風呂は真冬でも冷水。体もロクに洗えない。
 それでも痒くて一睡もできず、入眠剤を服用。

 どんどん強くなってゆく、ステロイドと入眠剤。

 寝たら寝たで、朝起きると体中が引っ掻き傷だらけ。

 ついには、眼球を引っ掻いて眼科行き、、

 アトピーの人達はそうならないよう、両手を柱に縛り付けたり、グローブして寝るそうですね。

 寝不足で常に意識は朦朧、そこに地獄の痒さが常にある。

 そんな生活が2年ほど続きました。今は少し落ち着いてますが、入眠剤を服用しないと痒みで目が覚めます。

 多分、ストレスでしょうか(ダニじゃないですよ。寝具は換えました)。

月ノヒカリさんは、これの何十倍、何百倍の苦しみをされているのでしょう。

心中、お察しします。

って書いてたら、何だか痒くなってきた。
 ポリポリ<(・ω・;)

最近の私のコメント、なんか不幸自慢してるみたいですみません。

2010/10/26 11:31 PM posted by: 月ノヒカリ
みそカツさん、こんばんは。

わざわざ過去記事読んでいただいて恐縮です。

「原因不明」というのは、対処法がわからない分、つらいですよね。
アトピーも基本的には「原因不明」が多いです。
血液検査やパッチテスト等、いろいろやってきましたが……結論は、「体質だから」というだけで、解決はしませんでしたね〜。

「ダニが原因の一つ」と知ってからは、掃除をマメにするようになったので、部屋が(それほど)汚くない、というのはアトピーのおかげかもしれません(笑)

あと、ちょっと心配になったのですが……。
ステロイドには副作用もありますから、薬をどんどん強くするのは要注意です。
残念ながら「ステロイドを医師の指示通りに使用していれば大丈夫」というわけでもないです。
くれぐれも慎重に使ってください。

アトピーの人は、白内障や網膜剥離を併発している人が多いですね。
「目の周囲を触るときは慎重に」ということを、本来は皮膚科で指導するべきだと思いますが、実際にアドバイスしてくれる医師は少ないですね。

私も、調子のいい時と悪い時があります。
これは「病気とうまく付き合っていく」しかないみたいです。

みそカツさんもあまり無理せず、どうかご自愛くださいね。

コメントありがとうございました。
2013/06/09 3:46 PM posted by: バブル世代
私もアトピーで地獄を見ました。
正確に言うと、アトピー+うつ+前立腺etc..
特に頭部のかゆみがひどくて発狂しそうでした。
今は症状は軽くなって楽になりましたが、
履歴書に大きな穴を空けてしまいました。
再起をかけた職場がブラックあんど体調崩して元の木阿弥。
最近またぼつぼつ就職活動はじめましたが面接は正直地獄です。穴があったら入りたいという感じです。
自分より若い人がどんな考えをもっているか興味がありここに
たどりつきました。
思ったより共感できる部分が多いです。
言わなければなにも分かり合えない。その通り。
ヒカリさんの勇気に感謝。


2013/06/10 10:46 PM posted by: 月ノヒカリ
バブル世代さん、はじめまして。
過去記事を読んでいただいて恐縮です。

本当、アトピーって地獄ですよね。
私も多少よくなった時期もあるんですけど、ちょっと無理したらすぐに全身に症状が出てしまうので、健康な人に比べたらかなりのハンディがあるんですよねー。

病気のしんどさに、世代は関係ないのでしょうね。
ただ自分は非正規雇用だったので、失業保険もなく、資格を取るためにスクールに通うのも自腹でしたから(雇用保険に入っていれば給付金が出たはずです)、そういった面では不利だと感じました。

今の世の中、一回滑り落ちたら、這い上がるのは困難だなあとつくづく感じます。
バブル世代さんも就職活動中とのことですが、どうかご自身の体をいたわりつつ、ご無理のないように進んでいってください。

共感していただいて嬉しかったです。
コメントありがとうございました。
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