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2016.05.08 Sunday 00:00何を今さら、な話かもしれません。が、今回は、年明けからブログにUPしてきた「人に会いたくない理由」の当事者研究を振り返ってみて、改めて気づいたことを書こうと思います。
まず、「ネット上で文章に書いたものをUPする」という形式で当事者研究をやる場合にも、「侵襲性がある」ということ。これについては、最初に考慮しておくべきだったかもしれない、と反省中です。
以前、精神科医である中井久夫の著書から、症状と回復の「作用/反作用」についての文章を引用したことがありました。当該エントリから再引用してみます。……一般論として考えますと作用には必ず反作用が伴い、この反作用は回復への歩みを打ち消すことによって、いやおそらく時にはそれ自体の持つ力によって回復のコースを慢性化へと曲げてゆく可能性があります。
(中略)
ある治療行為にせよ、薬物にせよ、環境の変化にせよ、本人の自己治療行動、いや夢や思考や症状の変化にせよ、すべて、慢性状態を変えようとする作用は、必ずそれを打ち消そうとする内力を発生させます。これはそう前提してかかってよいことです。
(中井久夫『最終講義』より)
つまり、当事者研究には、「自分自身も気づかなかった側面を知ることができ、他者と共有できる」というプラスの側面ももちろんあるんだけど、副作用のような反発が起こることも当然あり得るわけで。
今回、このブログに「人に会いたくない」当事者研究を寄せてくださった方には、深刻な副作用が生じるようなことがなければいいのですが……。
私の場合ですが、当事者研究を書いた後、実は少し落ち込みました。
自分自身の「困ってること」は、これまでにもブログに書いてきて、わかっているつもりでしたが……「やっぱりどうしようもないんだな」ということが、改めて突きつけられてしまった、という感じで。
私にとって一番切実なテーマは、何度も書いたように、「複数の病気を抱えながら、どうやって生きていけばいいのか?」という問題です。
「病気を抱えながら、どうやって生きていけばいいのか?」について、相談したり、話し合ったりできる場があってほしい。そう心の底から切望しているんですけど……現実には、私の身近には、そういう場はないんですよね。
だから、他に選択肢がないから、ブログに書くしかない、と思ってやってきたわけですが。
これまで書いてきて感じたことですが、リアル生活ではあまり歓迎されない病気の話が、ネット上なら歓迎される、というわけではないんですよね。病気の話題は、ネット上でもまず歓迎されません。
ただ、このブログはアクセス数を稼ぎたいとか、そういう目的でやってるわけではなく、一人、二人でも、読んで何かを感じてくれる人が現れたなら、それで充分だ、という気持ちで書いています。カッコつけてるように見えるかもしれませんが、これはマジです。
だから、このブログの話題が、「一般の人にあまり歓迎されない」のは、まあ仕方ないというか、別に構わないのです。
ただ、ネット上で当事者研究をすることの困難については、それとは別に考えるべきで。
「病気を抱えながら、どうやって生きていけばいいのか?」という問題について、誰にでも当てはまる普遍的な正解というのは、ないでしょうね。「できるだけ健康的な生活を心がける」とか、そういう一般論を除いては。
皆それぞれが異なる身体を持っていて――つまり抱えている病気・障碍の種類や程度が人によって異なっていて、その上置かれている状況も人それぞれ、なのですから。
だからもし、ある人にとって、何らかの益のある言葉が見つかるとしたら、それはいろんな意見が自由に、雑多に出されているような場において、じゃないかなあと。たくさんの言葉に接していく中で、「ふと答えに気づく」ような形でしか見つからないんじゃないか、と思うんです。
同じように、私は「病気を抱えながら、どうやって生きていけばいいのか?」について話し合える場を切実に必要としている、のだけれども――でも実際に、「病気を抱えながら、どうやって生きていけばいいのか?」というテーマで、人を集めて話し合っても、良いアイデアが出てくるとは限らないのでは? とも思うんです。
もしなにか良いアイデアを思いつくとしたら、それは私が日常生活の中でいろいろなことをやってみて、その過程で「ふと気づく」ような形でしか、得られないのではないか? と。
・・・というわけで、ふりだしに戻ってしまいました。
つまり、日常生活の中で、いろんなことを「実験」としてやってみて、その時々に振り返りつつ、できることを探していく。そういう試行錯誤を繰り返すしか、ないんじゃないか。
それは要するに、今までやってきたことなんだけど。
なので、このブログはこれまで同様、風の吹くまま気の向くまま、その時々に考えたことを書いていくことになります。
唯一、これまでと異なることがあるとしたら、「リアル生活で話せることについては、あえてブログに書く必要はない」ということでしょうか。
ブログに書くのは、「リアル生活ではなかなか話す機会がない」内容が中心になると思います。
これからもぼちぼち続けていくつもりなので、読者の皆様におかれましては、気が向いたときにでもマターリお付き合いいただければ幸いです。
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